1次試験の勉強方法(経済学・経済政策)
こんにちは。ぶらんちです。
今回はぶらんちが1番苦労した「経済学・経済政策」について、本科目の全体像やおすすめの書籍等についてご紹介します。
本科目の特徴
1次試験初日の最初の科目
1次試験は2日間にわたり実施されますが、「経済学・経済政策」は初日の、しかも1番最初に実施されます。
「経済学・経済政策」の手ごたえにより、その後の士気が大きく左右されます。(科目に勢いがつくか、はたまたプレッシャーがかかるか…)。ぜひ高得点を取って弾みをつけたい科目です。
合格率は決して低くない
直近5年間の合格率は20%台で比較的安定しています。そもそも経済学・経済政策は難解な内容なものの、本番試験自体は基本的知識をしっかり押さえることで合格点(60点以上)を目指せる科目であることが分かります。
実施年度 | 科目受験者数 | 科目合格者数 | 科目合格率 | 1次試験合格率 |
---|---|---|---|---|
平成29年度 | 11,770人 | 2,756人 | 23.4% | 21.7% |
平成30年度 | 11,548人 | 3,048人 | 26.4% | 23.5% |
令和元年度 | 12,564人 | 3,241人 | 25.8% | 30.2% |
令和2年度 | 9,849人 | 2,311人 | 23.5% | 42.5% |
令和3年度 | 14,373人 | 3,026人 | 21.1% | 36.4% |
経済学の全体像をつかむ
経済学の目的は、シンプルにいうと実体経済の仕組み・法則を明確化することです。実体経済はとても複雑なので、一度に理解することはとても大変です。そこで、理解可能な身近な問題から少しずつ法則を積み上げていくイメージです。
ミクロ経済学
経済学の基本は「需要」と「供給」です。
ミクロ経済学の場合、「需要」は消費者、「供給」は企業です。
例えばとてもおいしい缶ビールが1本200円で発売されたとします。そうすると主にビール好きの人から「たくさん欲しい!」と人気が集まります。これが需要量が増える(上昇する)という状態です。一般的には需要が増えると品薄になり、価格が上昇します。
この時、企業側は200円を超える販売価格でもたくさん売ることができるので、より儲けようと増産を行います。これが供給量が増える(上昇する)という状態です。
ところが、販売価格が上昇しすぎると「高すぎるので買えない(買わない)」という人が増え、需要量が低下します。
こうなると企業側も増産を続けていても売れ残りが発生してしまうので、供給量を低下させます。場合によっては安売りをして在庫を処分しようとするでしょう。
上記を繰り返すうちに、需要量と供給量が一致し価格も安定します。これが市場均衡です。
基本はこれだけです。
ただ、生活必需品は価格が高騰しても需要量は減りにくいし、高価格であっても供給量を増やせない場合もあります。
ミクロ経済学は、「需要」と「供給」の基本的な考え方を軸に、「代替品がある場合の需要曲線の動き方は?」「業界が寡占状態だった場合の供給曲線の動き方は?」というのを一つ一つ学習していくイメージです。
マクロ経済学
マクロ経済学では、国全体の経済を分析・可視化します。マクロ経済は3つの市場の関係性で分析します。
- 財市場(モノ)
- 貨幣市場(カネ)
- 労働市場(ヒト)
財市場とは、財やサービスや取引する市場です。消費、投資、政府支出、輸出入の需要量と、国民所得を供給量より、均衡国民所得を算出します。
貨幣市場は、現金や預金を取引する市場です。経済全体(家計・企業・政府)の需要量と、日本銀行の供給量より、均衡供給量と均衡利子率を算出します。
労働市場は、企業には労働力に対する需要があり、労働者は労働力を供給し
ます。財市場と貨幣市場と同様、需要と供給の関係により均衡労働量と均衡実質賃金率を算出します。
最終的に財市場と貨幣市場から導出した総需要曲線(AD曲線)と、労働市場から導出した総供給曲線(AS曲線)を分析し、物価と国内総生産(GDP)の関係性を算出します。
これだけだと訳分かりませんね。
…みなさん勉強頑張ってください(逃)。
絵(図)で理解する
経済学・経営政策に限らず、理解が難しい事項については絵(図)にまとめると良いでしょう。
例えば先ほどのマクロ経済の全体像について、以下の通り図にすると関係性が整理できます。
各分析の詳細について学習する必要はありますが、関係性が整理できていれば理解が早いです。試験本番も「この問題は何の分析の話をしているのか」がパッと出てくるようになり、正答率もグッと上がるでしょう。ポイントは縦軸と横軸の指標です。
おすすめの書籍・サイト
いかにおすすめの書籍・サイトをまとめています。ぜひご参考ください。
まとめ
如何でしたでしょうか。
ぶらんちは経済学・経済政策が苦手で、勉強1年目はマクロ経済学にかなりの時間を割いてしまい、勉強計画がガタガタになったという思い出があります(しかもそのほとんどを覚えていない…)。
経済学・経済政策は2次試験との関連が薄く、60点が取れれば良い科目ですので深追いは禁物です。ただ、理解してくると、現在政府が行っている施策の意図が見えてくるようになり、経済新聞やニュースが驚くほど面白く感じるようになりますので、教養としても是非学んでいただきたいです。
(私も勉強しなおすようにします…)