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【2022年度】中小企業白書・小規模企業白書に関する出題傾向を予想!

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こんにちは。ぶらんちです。4/26(火)に2022年度版の中小企業白書・小規模企業白書が公表されました。

1次科目である中小企業経営・政策、とくに中小企業経営の範囲は中小企業白書・小規模企業白書の統計情報・傾向分析からの出題が多いです。ただ前年度からの出題ですので、本来受験生が確認すべきは2021年度版です。

とはいえ、2021年度と2022年度で事情が大きく変わってしまった事柄は出題しづらいと思いますので、2022年度の分析も結構大事だったりします。

そこで今回は、2021年度版と2022年度版で共通している事項を抜き出して、傾向分析をしてみたいと思います!

以降に登場する図表は全て経済産業省の「中小企業白書・小規模企業白書をまとめました」からの引用です。

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2021年度版の概要

2021年度版では、新型コロナウイルス感染症が与えた影響とその危機を乗り越えるための取り組みについてスポットが当てられており、全体のテーマが「危機を乗り越え、再び確かな成長軌道へ」となっています。

コロナ禍の影響が直撃した年

2021年度版は2020年度の内容をまとめたものです。なので新型コロナウイルス感染症が拡大するにつれ、その危険性が認知され、緊急事態宣言が発出されるまでに至った時期から、危機を乗り越えようと色々な取組みがなされた所までが分析されています。

2021年度版のポイント
  • コロナ禍の影響を受けていると回答した中小企業は全体の71.3%
  • 特に対面型サービス事業(外食業・宿泊業など)で影響が大きい
  • 但し金融対策や持続化給付金などにより倒産件数は低水準
  • 環境の変化に合わせた新製品の開発新規事業分野への進出を行った企業ほど回復が早い
  • 環境・エネルギー分野への進出や海外需要獲得のためのEC利用の意欲が高い
  • 中小企業のデジタル化に対する意欲が高まった
  • 企業の成長・発展を促していくためにも事業承継を推進
  • M&Aに対するイメージは向上し、件数は増加
  • SDGsの重要性の認識も広まりつつある
  • 商工会・商工会議所の利用頻度は増加

コロナ禍においてはとにかく人的接触が避けられたため、特に対面型サービス事業で大きな影響がありました。金融政策や持続化給付金などの資金繰り政策により中小企業の倒産件数はなんとか抑えられたものの、いつかは借金が返せずに立ち行かなくなることが懸念されていました。

そんな中、オンライン化への需要の高まりを受けてテレワーク推進などのデジタル化ECサイト活用に関心が集まりました。また、SDGsの重要性が認知されるようになり、環境・エネルギー分野への進出意欲も高まっていました。こうした変化を捉え、事業を再構築することによって早期に回復する事例が注目されました。

2021年度版は、新型コロナウイルス感染症という未曽有の危機に対し、事業を見直して環境変化に対応した企業が生き残っている、という現状を分析しているイメージです。

2022年度版の概要

2年に及ぶ新型コロナウイルス感染症の流行や原油・原材料価格の高騰、部材調達難、人材不足といった厳しい状況下においても、新たな挑戦を行うためにはどのような取組が必要なのかについて分析しています。

「事業者の自己変革」をテーマに、ウィズコロナ、アフターコロナの各フェーズにおいて、事業者にとって必要な取組みについて取り上げられています。

2021年度版のポイント
    • 2022年2月時点においても、コロナ禍の影響を受けていると回答した中小企業は全体の73.8%
    • 資金繰り支援策などにより倒産件数は6,030件と57年ぶりの低水準
    • 但し新型コロナウイルス関連破たんの件数は増加傾向
    • 感染症流行後では、いずれの金融機関においても貸出残高が増加
    • 最低賃金は継続的に引き上げられており、2020年を除き、近年は引上げ幅も大きくなっている
    • 中小企業の製造業は、約6割が感染症によるサプライチェーンへの影響を受けていると回答
    • 中小企業におけるM&Aは増加傾向。後継者不在企業の割合は低下
    • SDGsの取組への意識が高まっている
    • 事業方針におけるデジタル化の優先順位が年々高まっている
    • 海外展開のため、越境ECの利用が増加傾向
    • 脱炭素化に向けた取り組みが活発化(グリーン化)
    • 宿泊業・飲食サービス業で事業再構築の実施割合が高い
    • 感染症の影響を受けた小規模事業者の7割市場浸透に取り組んでいる
    • エネルギー価格・原材料価格の高騰への対応だけでなく、中小企業における賃上げといった分配の原資を確保する上でも、取引適正化は重要
    • 経営者自らが自己変革を進めるためには、支援者・支援機関が対話を重視した伴走支援を行うことが有効。

    2021年も引き続きコロナ禍の影響が色濃い状況ですが、金融機関等の積極的な貸出により、倒産件数は57年ぶりの低水準となりました。一方、コロナ禍への対策が進んだことにより徐々に持ち直す業界も増えてきており、需要に供給が追い付かず生産活動や部材調達といった供給面で影響が出てきています。特に直近ではウクライナ情勢の緊迫化で燃料や非鉄金属などの取引価格が上昇傾向になったり、資材や電力価格など物価上昇も著しいです。また、経営上の不安として人材の確保・育成を挙げる企業が増えており、計画的なOJT研修やOFF-JT研修を実施し、従業員の能力開発を進めることが重要となってきています。

    そんな中、中小企業でもSDGsの取り組みへの意識やデジタル化の優先順位が高まっており、越境ECを利用している企業の割合も増加傾向です。さらに脱炭素化に取り組む企業では企業価値向上を実感している等、新分野に積極的に取り組むことが重要であることが分かります。

    事業再構築がカギ

    中小企業白書・小規模企業白書には明記されていないものの、2021年の成功事例を活かして事業再構築の取り組みを積極的に支援する動きがありました。

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    2021年度と2022年度の共通項

    2021年度版はコロナ禍の混乱期、2022年度版はコロナ1年目の教訓を生かした年、という感じではあるものの、導出される方向性は同じと考えて良さそうです。

    中小企業白書・小規模事業白書のポイント
    • コロナ禍の影響を受けている中小企業は全体の約7割
    • 特に宿泊業・飲食サービス業が影響が大きい
    • 倒産件数は減少傾向
    • 事業再構築をしている企業が回復が早い
    • ECサイト、デジタル化、SDGsへの取り組みが注目されている
    • 事業承継、M&Aは推進

    まとめ

    如何でしたでしょうか?

    内容としてはだいぶ端折りましたが、傾向分析としては十分ではないかと思います。中小企業白書・小規模事業白書にはたくさんの図表が出てくるので、全部の数字を覚えるのはなかなか難しいと思います。上記のような方向性を覚えておくだけでも、ある程度選択肢を絞ることが出来るのではないでしょうか!

    ちなみに、中小企業診断士が今何を求められているのかを知るために非常に重要な資料です。なので、一度はキチンと読んでみることをおススメします!

    ABOUT ME
    ぶらんち
    ぶらんち
    中小企業診断士
    システムエンジニアとして14年間キャリアを積んだ後にコンサルティングファームに転職。ITコンサルタントとして従事する傍ら、中小企業診断士として伴走支援を実施中。
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