2次試験対策

アイディア回答がダメな理由

こんにちは。ぶらんちです。前回の更新から1週間が経ってしまいました…。ある先輩診断士から聞いた「合格前は静的な忙しさ、合格後は動的な忙しさを実感しているところです。

今回は、2次試験でやってしまいがちな「アイディア回答」について解説します。

アイディア回答とは

アイディア回答とは、「予件文・設問文からは実現性や根拠が読み取れない回答」のことです。アイディア回答はほとんど加点されないと言われています。

一つ例を挙げてみましょう。

平成27年度事例Ⅱ 第2問
物産市当日における非食品小売店の売上向上を実現するためには、非食品小売店の店主達へどのような助言をすべきか。
B商店街の主な非食品小売店である家具店、食器店、スポーツ用品店の中からひとつの業種店を対象に選択し、a欄の該当する業種店の番号に○印を付けるとともに、b欄に助言内容を100字以内で述べよ。

回答例

<家具店>
物産市に集まった高層マンションのファミリー層に対し、高級家具を販売する。予め高層マンションの間取りを確認しておき、トータルコーディネイトを意識したこだわりの商品を提供し、売上向上を図る。

解いていない人にとっては、これがアイディア回答がどうか分からないと思います。そこで、予件文や他の設問から読み取れる内容を要約します。

  • 物産市は競合する大手スーパーとの差別化を図るために開始された商店街のイベント
  • 物産市では県内のこだわりの農水産物および加工品を街路販売しており、集客力は高い
  • イベント当日は飲食店やサービス業は売上が大幅に増加するが、非食品小売店は恩恵を受けられていない
  • 商店街近くには高価格の高層マンション街があり、若いファミリー層が多い

問題点は、「イベント当日は飲食店やサービス業は売上が大幅に増加するが、非食品小売店は恩恵を受けられていない」ことです。なぜ恩恵を受けられないかというと、物産市で販売されているものが農水産物及び加工品だからです。非食品小売店にとっては関係のないイベントになってしまっているんですよね。

ということは、この設問の趣旨は「食品目当ての来街客に対し、どのようなマーケティング戦略を立てれば非食品小売店に引き込めるか」を答えてほしい、ということです。

アイディア回答は趣旨を取り違えていることが多い

では、先の回答例を見てみましょう。この回答例で注目しているのは「商店街近くには高価格の高層マンション街があり、若いファミリー層が多い」ことです。

物産市の目的は「周辺住民を呼び込むこと」との記述もあり、一応若いファミリー層もターゲットであることは間違いないです。ですがターゲットを絞りすぎと思われます。

本設問はもともとヒントが少ない難問ですが、ターゲットを絞りすぎたことによりさらに難しくしてしまっています。そのため根拠が乏しく、以下疑問が湧いてしまいます。

  • どうやって高級家具を販売するところまで漕ぎ着けるのか不明確
  • 間取りをどのように確認するのか不明確
  • 上記がクリアできるなら、なぜいつもやらないのか

このように、アイディア回答になっている場合は設問の趣旨を取り違えている場合が多いです。主旨を取り違えてしまう原因は、設問分析予件文の整理が上手くできていないからです。上記の場合は、「周辺住民と言えば若いファミリー層だ!」と早合点してしまい、その他のヒントがないか確認が足りなかったのかもしれません。

実は、この「高層マンションのファミリー層」は第1問の回答に深く関わっており、第2問では使わないキーワードです。設問との対応付けも大事ということですね。

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2次試験の回答は、事例企業への診断報告書

事業計画書を書いた時の話

少し話が変わりますが、ぶらんちは現在事業再構築補助金の申請支援のため、事業計画書を書いています。

事業再構築補助金は、コロナ禍で売上が低迷している事業者に対し、「新しい取り組みをしてくれるなら補助金を出します」という制度です。1兆1,485億円というとんでもない額の予算が組まれている目玉施策です。

初めての経験で分からないこともたくさんあり、先輩診断士にご迷惑をおかけしている最中ですが(汗)、その中で一つ気づいたことがあります。事業計画書に求められるのは「妥当性と一貫性」ということです。

事業計画書には以下が分かるようなストーリー性が求められます。

  1. SWOT分析をして強み・弱み・機会・脅威を踏まえた事業計画であること
  2. 補助事業が自社にとって新しい取り組みであること
  3. 補助事業は競争力があり、収益が見込めること
  4. 地域貢献や経済効果(付加価値額の増加)が高いこと
  5. 資金調達が計画されており、実現性が高いこと

事業計画書を読んだ人に「市場ニーズも捉えているし、これなら実行性もある。費用対効果も高そうだ」を思ってもらわなければ採択されません。

なので、顧客に業務経歴から自社の強み・弱み、競合相手、今後のビジョンなどをヒアリングし、補助事業の企画書や財務諸表を頂き、さらには市場調査を行う等、ありとあらゆる方法で情報を集め、妥当性・一貫性の高いストーリーを練り上げていくわけです。

集めた資料を見てふと思う

連日連夜、顧客の資料を読んでいたときに、ふと気づくのです。

「あれ、これ予件文じゃね?」

2次試験の予件文は、事例企業の経歴から自社の強み・弱み、競合相手の情報、今後のビジョンが書かれています。事例Ⅳでは財務諸表も提示されますし、他事例でも市場動向の図表があったりします。これってまさにぶらんちが行った顧客へのヒアリング結果や集めた資料と同じです。

つまり、与件文は中小企業診断士が事例企業に対してヒアリングを行った結果と考えることができます。

また、先輩診断士からのアドバイスやご指摘は、設問文そのままという感じでした。

上記の図は本ブログでは何度か登場しているのですが(相当気に入っている)、「これは間違いない!」と確信に変わった瞬間でした。

なぜアイディア回答はダメなのか

改めて「なぜアイディア回答はダメなのか」を考えてみましょう。

先の回答例でいうと、若いファミリー層をターゲットにすること優先するあまり、ヒアリング結果(予件文)に無い情報でストーリーを構築してしまっています。妥当性・一貫性の高い回答を作るためには、あくまで予件文から読み取れる情報から構築したものでなければならないことが、お分かりになるかと思います。

図表の読み取りにも注意

下図は平成28年事例Ⅱに登場するもので、しょうゆ及びしょうゆ関連製品の出荷数量の推移(指数)を表したものです。本事例では、しょうゆメーカーであるB社の商品ラインナップの見直しについてアドバイスを求められています。

これを見て、みなさまはどのように解釈しますか?

  • しょうゆの需要は下がっているが、他も上がっているわけではない
  • しょうゆの需要低下は底をついており、これから上がるかもしれない

上記のような解釈をされた方は、アイディア回答を書いてしまう危険性があるので注意です。

もし中小企業診断士として顧客と契約し、お金をもらって経営診断を行うことを考えてみましょう。上図のような市場結果だったときに、「しょうゆの新商品を開発しましょう!」と言わないと思います(怖くて言えないです)。

明らかにしょうゆ市場は低迷しています。もしB社があなたの言葉を信じて「しょうゆの新商品」を開発しても、失敗するリスクの方が高いでしょう。逆張りの考え方はあるものの、リスクヘッジについては考えたいですよね。ただ、そんなことを書くスペースは2次試験の解答用紙にありません。

いくら強みを活かせる市場であっても、収益確保が難しければ通常は提案できません。ここは素直に「しょうゆ市場は低迷している」と読み取り、しょうゆ関連製品の新商品開発を提案すべきでしょう。

まとめ

如何でしたでしょうか?

受験生の時は2次試験が超絶難しいと思っていたのですが、「80分で整理できるように先輩診断士がほとんど書いてくれた経営診断書」と考えると、幾分易しく感じるかもしれません。

実際の現場の方が100倍複雑で、100倍楽しいです。ぜひ合格を勝ち取って、みんなで中小企業診断士になりましょう!(…まず1次試験突破が先か汗)

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