2次試験対策

2次試験のイロハ①分析編

こんにちは。ぶらんちです。

2次試験の問題を解いたことがありますか?
初めて解いた方は「何が問われていて」「何を書けば正解なのか」よく分からないですよね。

今回は令和2年度の事例IIを例に、解法のイロハについて紹介します。

正解は誰にも分からない(!?)

最初にお伝えしておくと、2次試験の正解は例え有名予備校の講師でも正確には分かっていません。なので各予備校とも独自のプロセスに基づいて模範解答を導き出しており、内容がバラバラなことも多いです。

ただし、各予備校とも合格者を輩出していることから、正解は一つではないし、独自プロセスにも優劣はないと考えられます。

そういった試験ですから、「試験には絶対的な正解がある」と思い込んでいる方にはこれほど学習しづらい試験は無いです(私もその一人でした)。

これからお伝えすることは、初学者向けに「どのように読み解き」「どのように回答をまとめていけば良いか」といった、取っ掛かりになるもの、と考えていただければと思います。

2次試験の構成

2次試験問題はある事例企業の概要を説明する予件文と、それに対して診断と求める設問文に分かれています。

予件文はだいたい2~3ページほどあり、事例企業の開業から現在までの変遷が書かれて、文中には問題点や課題が散りばめられています。
設問文でそれらが問われ、解答に改善策を記載する、といったイメージです。

解法の全体プロセス

事例のテーマを意識する

2次試験は4事例ありますが、それぞれにテーマが決まっています。

事例テーマ
事例Ⅰ組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略及び管理
事例Ⅱマーケティング・流通を中心とした経営の戦略及び管理
事例Ⅲ生産・技術を中心とした経営の戦略及び管理
事例Ⅳ財務・会計を中心とした経営の戦略及び管理

上の表だとイメージがつかないかもしれません。事例Ⅱを例にすると、テーマは「マーケティング」です。マーケティングを行う最終目的は売上の向上です。従って、事例Ⅱではどんな企業が出題されたとしても、考えるべきは以下に集約されます。

  • 顧客数(来店数)の向上
  • 客単価(購買点数)の向上
  • 顧客生涯価値(LTV)の向上

「売上=顧客数×客単価」なので、どちらか、あるいは両方を上げるにはどうしたらいいか考えます。また、来店頻度を増やしたり、固定客として長くお付き合いするための施策を考えます。

事例に登場する企業は毎年規模も業種も取引先構成も違いますし、問われる内容も様々ですが、上記のように事例毎に根底となるテーマがあることを必ず頭に入れて取り組みましょう。

設問文から重要ポイントを探る

ここからは、令和2年度の事例Ⅱをお手元にご準備ください。
中小企業診断協会サイトより過去問を取得できます。

まず、最初に設問文から確認し、「何を回答すればよいか」を把握します。予件文は長く情報が散りばめられており、アウトプットをイメージしながら読んだほうが情報の整理がしやすいためです

特に初学者は、「どんな企業なのか分からないと設問文の意味が分からないじゃん!」となるかもしれません。ところがそうでもありません。
前述の通り事例にはテーマがあるので、設問から「新規開拓がしたいんだ」「新製品開発がしたいんだ」ということが分かってしまえば、ある程度予件文でチェックすべきポイントを絞ることが出来るからです。

それでもやはり「どんな企業か」が気になる方は、予件文の最初の段落だけ読むと良いです。予件文の最初の段落に基本情報が詰め込まれている場合がほとんどです。

令和2年度事例Ⅱ

第1問(配点 20 点)
現在の B 社の状況について、SWOT 分析をせよ。各要素について、①~④の解答欄にそれぞれ 40 字以内で説明すること。

第1問はいったん飛ばします。理由は口述。

第2問(配点 30 点)
Z 社との取引縮小を受け、B 社はハーブ Y の乾燥粉末の新たな取引先企業を探している。今後は Z 社の製品とは異なるターゲット層を獲得したいと考えているが、B社の今後の望ましい取引先構成についての方向性を、100 字以内で助言せよ。

最初の1文から、Z社との取引が縮小し売上低下の環境変化が起こっていることが分かります。また、新たな取引先を探すにあたり、「異なるターゲット層を獲得したい」という要望が記載されています。
そして「今後の望ましい取引先構成についての方向性」が回答すべき内容ですね。
そしてここからは憶測を働かせます。

憶測できること
  • 設問になるくらいだから、Z社との取引は大きいものだろう(Z社への依存度が高いのかもしれない
  • 「新たなターゲット層を獲得したい」ということは、既存ターゲットが離れてきているか、新規ターゲットでチャンスが生まれているんだろう
  • 今後望ましい取引構成を聞くくらいだから、Z社依存はほぼ間違いなく、複数社に分散してリスク低減かな

予件文を読まなくても、この設問はほぼ回答の方向性が決まりました。あとは予件文に「本当にZ社への依存度が高いのか」「既存ターゲットと新規ターゲットがどういうものか」「新規取引先となりうる企業はどんな企業か」を探しに行くだけです。

第3問(配点 30 点)
B 社社長は最近、「眠る前に飲むハーブティー」の自社オンラインサイトでの販売を手がけたところ、ある程度満足のいく売上げがあった。

(設問 1 )
上記の事象について、アンゾフの「製品・市場マトリックス」の考え方を使って50 字以内で説明せよ。

(設問 2 )
B 社社長は自社オンラインサイトでの販売を今後も継続していくつもりであるが、顧客を製品づくりに巻き込みたいと考えている。顧客の関与を高めるため、B社は今後、自社オンラインサイト上でどのようなコミュニケーション施策を行っていくべきか。100 字以内で助言せよ。

(設問1)はストレートに知識問題ですね。アンゾフの「製品・市場マトリックス」について知らないとその時点でアウトです。
この設問に対しては、製品・市場マトリックスの4つの戦略(市場浸透・市場開拓・製品開発・多角化)のどれに当てはまりそうか、気にしながら予件文をチェックしよう、となるわけです。

(設問2)ですが、設問文の書き方からどうやら基本はオフライン販売のようです。オフラインとオンラインの違いって何でしたっけ?
予件文に書いてあるかは分かりませんが、オンラインの特性を生かした回答を書いてほしいんだろう、ということが推測できます。

第4問(配点 20 点)
B 社社長は、自社オンラインサイトのユーザーに対して、X 島宿泊訪問ツアーを企画することにした。社長は、ツアー参加者には訪問を機に B 社と X 島のファンになってほしいと願っている。
絶景スポットや星空観賞などの観光以外で、どのようなプログラムを立案すべきか。100 字以内で助言せよ。

突然出てきたX島。B社は離島にある会社なのか?なんだか分かりませんがX島と深い関係にあるようです。
ということで予件文では「B社とX島の関係性」「X島の特徴」「オンラインサイトのユーザーってどんな人たちで、何に興味があるのか」を探せば良さそうです。

上記をまとめると、予件文で注目すべきは以下である、ということが分かります。

  • B社とZ社の取引状況
  • B社の現在のターゲットとその動向
  • B社の新ターゲットとなり得る人たちとその動向
  • B社の事業戦略
  • X島との関係性
  • X島の特徴
  • オンラインサイトのユーザー特性

SWOT分析を行う

ここからは予件文です。
先ほど注目すべき点を洗い出しましたが、その他にSWOT分析を行います。

SWOT分析

現状を以下4つの視点から整理し、今後の意思決定に生かす分析方法です。

  • 強み(S):競争力の源泉となる企業の内的要因
  • 弱み(W):他社に比べ劣っている企業の内的要因
  • 機会(O):今後の成長・拡大のチャンスとなる外的要因
  • 脅威(T):業績に影響がある可能性のある外的要因

基本的な考え方は「強みを生かす」「弱みを克服する」です。中小企業診断の実務でも利用するので、とても重要なフレームワークです。

令和2年度事例Ⅱではそのまま第1問で問われていますが、そうでなくてもSWOT分析を行うクセをつけておいたほうが良いでしょう。
ちなみにこんな感じです。

これで、B社の課題は「Z社への取引依存度を下げ、自社ブランド製品の開発力及びX島全体の活性化」であることが明確になりましたね。
また、そのために「ヘルスケア市場拡大の波に乗って、ハーブの栽培・粉末加工技術を活用した新製品を開発し、新規顧客を獲得しましょう!」というのが中小企業診断士が助言すべき内容であろう、ということも分かります。

あとは設問に当てはめていくだけ!

B社はオンラインショップでの販売やX島のツアーを企画したり、設問文では色々なことをやっています。それに対して、課題解決に結び付く助言を行っていけばよいわけです。

気を付けるべきは3点です。

  • テーマに沿っているか
  • 設問の要求に沿っているか
  • 課題解決に結び付いているか

今回は事例Ⅱなので、マーケティングの観点から回答をまとめなくてはなりません。いくら良いアイディアでも、人事制度の刷新や従業員の能力開発は回答にあまり含めるべきではないです。

また、設問要求に沿っていないと点数になりません。第2問は「ハーブY」のことを聞かれているので、催眠効果のあるハーブの話をしても意味がないのです。

あとは、SWOT分析で洗い出した課題は全てどこかの設問で解決させることを意識しましょう。

問題と課題の違い

問題「あるべき姿と現状とのギャップ」
課題「ギャップを埋めるためのアクション」です。

例えば「太っている」は問題、「ダイエットする」は課題です。
「~の課題は何か」という設問に「売上が低下している」と書くと×になってしまいます(売上向上策を書く)。

問題と課題の違いは明確に意識していないと、誤った回答を書いてしまうので注意しましょう。

まとめ

如何でしたでしょうか。

2次試験の内容は、企業の情報を総合的に受け取って的確な診断・助言をするという中小企業診断士の業務内容を色濃く反映しています。
上記のプロセスも、「相談を受ける」「提示された書類を確認する」「聞かれたことに答える」と、ほとんど同じです。

そのため、重要なのは妥当性と一貫性です。聞かれてもいないことに答えたり、理想ではあるが現実味がないことを提案しないよう、心がけましょう。

ちなみに一人で「妥当性と一貫性」を客観視するのはとても大変です。
そんな時は予備校の利用や、受験生応援団体の力を借りるのも手です。

私は現在タキプロという受験生応援団体に所属しておりますが、そこではFacebook上でのWeb勉強会や質問受付等が行われております。
(無償です!)

興味ある方はぜひ一度覗いてみてはいかがでしょうか?

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