2次試験対策に必須!SWOT分析
こんにちは。ぶらんちです。企業経営理論ではたくさんのフレームワークが出てきますが、その中でも特に重要なのはSWOT分析なんじゃないかと思います。SWOT分析を使っての経営分析は中小企業診断士にとって基礎中の基礎と捉えられており、2次試験の事例問題もSWOT分析を前提に作成されています。
今回はそんなSWOT分析にスポットを当ててみたいと思います。
SWOT分析とは
現状を以下4つの視点から整理し、今後の意思決定に生かす分析方法です。
- 強み(S):競争力の源泉となる企業の内的要因
- 弱み(W):他社に比べ劣っている企業の内的要因
- 機会(O):今後の成長・拡大のチャンスとなる外的要因
- 脅威(T):業績に影響がある可能性のある外的要因
図で表すと以下のような感じです。
「強み」「弱み」は内部環境(内的要因)となり、自社の努力でコントロールが可能という所がポイントです。例えば「最先端技術の特許を持っている」「一貫生産体制である」なんてのは立派な強みですが、自社の努力で手に入れたものですよね。逆に「若手の育成が出来ていない」「マニュアルがない」といった弱みも、自社の努力で克服できます。
一方、「機会」「脅威」といった外部環境(外的要因)は、自社でコントロールできない範疇を指します。例えば「コロナ禍により来店客数の減少」といった脅威の発生も、「巣ごもり需要の増加」といった機会の創出も、自社では制御することはできません。「環境変化にどう適応するか」を考えることが求められます。
基本的な考え方は「強みを生かす」「弱みを克服する」です。中小企業診断の実務でも利用するので、とても重要なフレームワークです。
クロスSWOT分析
クロスSWOTとは、SWOT分析を一歩進めて「強みをどう生かすのか」「弱みを克服してどうしたいのか」を分析する手法です。内部環境と外部環境の要素をぶつけて、自社が取るべき戦略を検討します。
- 強み × 機会
機会に対して、強みを生かして勝ちに行く - 強み × 脅威
脅威に対して、強みを生かして切り抜ける - 弱み × 機会
機会を最大限に活かせるよう、弱みを改善・克服する - 弱み × 脅威
脅威からの被害を最小限に留めるべく、弱みを改善・克服する
基本的には「強み×機会」を検討しますが、「弱み×脅威」も結構重要だったりします。迫りくる脅威に対して弱みの改善・克服が間に合わない場合、どう回避するのか(あるいは撤退するのか)も検討する重要な項目です。
1次試験対策
SWOT分析は1次試験ではほとんど登場しません。なので特別な対応は不要です。
1次試験は、例えば機会・脅威を整理するための環境分析手法(3C分析・PEST分析・5フォース分析等)や、「強みを活かす」「弱みを克服する」ために実行する戦略(差別化・コストリーダーシップ等)に重点が置かれています。
2次試験対策
逆に2次試験はSWOT分析が主軸になっていると言っても過言ではないです。
特に事例Ⅱの第1問は3年連続でSWOT分析が問われています。おそらく恒常化するものと考えられますので、たくさん練習して得点源にしたいです。
令和3年度事例Ⅱ 第1問(配点 20 点)
2021 年(令和 3 年)8 月末時点の B 社の状況を、移動販売の拡大およびネット販売の立ち上げを目的として SWOT 分析によって整理せよ。①~④の解答欄に、それぞれ 30 字以内で述べること。
令和3年度のSWOT分析はこんな感じです。
本試験では「強みを活かす」「弱みは克服する」方向で各設問が作られています。なので、第1問のSWOT分析は闇雲に回答するのではなく、2問目以降で使う要素に絞った方が良いでしょう(つまり第1問は最後に解く)。
ちなみに上記のSWOT分析・クロスSWOT分析は結構簡素化しています。じっくりやればもっと書けると思いますが、本試験の試験時間は80分と決められています。実際はSWOT分析に割ける時間は10分も無いです。
そんな短い時間では、上記レベルでも相当練習しないと出来ないと思います。1次試験には登場しない分、少しでも早く2次試験問題に触れてSWOT分析に慣れておくのが合格への近道かもしれません。
まとめ
如何でしたでしょうか?
ちなみにミラサポplusという中小企業向け補助金・総合支援サイトでもSWOT分析について解説しています(こちらの方が分かりやすいかもしれません汗)。
ミラサポplusでは「事業計画書に説得力を持たせるためにSWOT分析が不可欠」という紹介のされ方をしています。が、ミラサポplusは補助金の運営・審査を行う経済産業省の管轄です。つまり「経営分析を行うときはSWOT分析を絶対やってほしい」ということです。
尚、事業再構築補助金申請の場合は記載項目に明記されています。以下は第5回事業再構築補助金の公募要領抜粋です。
思いっきり「強み・弱み、機会・脅威」って書いてありますね。まあ2次試験自体が中小企業診断士としての仕事の第一歩的なところがありますから、試験がSWOT分析を主軸にしている時点で、国はSWOT分析が大好きと思って良いと思います。
https://branchpine.com/archives/3131