2次試験対策
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【2次対策】「最大の要因」の対応方法

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こんにちは。ぶらんちです。今回は2次試験の設問に出てくる「最大の要因」「最大の理由」についての対策を紹介します。

今回は平成29年度事例Ⅰ設問1をベースとしますので、予めご自身で解いてから読まれることをおススメします(以下リンクからダウンロードできます)。

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設問分析は作問者との対話

以前、2次試験を解く際には、最初に設問分析を行うことが有効とお話しました。

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中小企業診断士試験の合格基準は「中小企業診断士として一定レベルの助言が出来ること」なんだと思いますが、作問者は受験生のレベルを正しく測れるように与件文と設問文を作成する必要があります。

  • 大多数の受験生が同じ方向性で答案作成ができること
  • 採点者が「一定レベルである」ことを採点できるようにすること

よく事例にはモデル企業があると言われています。出題委員の書籍に事例とほとんど同じ企業が登場することもあります。上記を満たす試験問題を一から作成するのは大変なので、実際にあった出来事から試験用にアレンジして与件文と設問文を作成している、と思われます(…たぶん)。

まとめると以下のようなイメージです。

これってOJTに似ていると思いませんか?
OJTでは、自分に任された仕事であっても面倒を見てくれる先輩(や上司)がつきますよね。進め方が違えば先輩からありがたい(?)指導が入るし、迷ったら相談に乗ってくれます。そうやって経験が少なくても、顧客に提供する品質を確保するわけです。

ところが2次試験では「先輩=作問者」なわけですから、直接指導も相談もできません。そこで作問者は与件文と設問文にヒントを散りばめて、適度に受験生を誘導していると考えることができます。ヒントがあっても見当違いの答案を書くようであれば、「まだ早い」と不合格になる、ということですね。

そう考えると、設問分析や与件分析は非常に大事なプロセスであることがわかると思います(顧客や先輩の話をよく聞くことと一緒)。

また、「訊いたことと違うことを説明してくる」「たくさん喋ってるけど要点がわからない」なんてのは顧客や先輩を不安にさせますよね。

同じく、「訊かれたことに答えていない」「キーワードは盛り盛りだが主旨がぼやけている」といった回答は、「こいつよく分かってないな…」と判断されてしまう危険性が高いということがご理解いただけるのではないでしょうか。

要因の抽出

だいぶ前置きが長くなりましたが、平成29年度事例Ⅰ設問1を見てみましょう。

平成29年度事例Ⅰ 設問1
景気低迷の中で、一度市場から消えた主力商品を A 社が再び人気商品にさせた最大の要因は、どのような点にあると考えられるか。100 字以内で答えよ。

作問者からのヒントはどこにあるでしょうか?基本的には「無くても文章が成立する箇所」がヒントとなります。

ヒントの可能性
  • 景気低迷の中で
  • 一度市場から消えた主力商品
  • A社が再び人気商品にさせた
  • 最大の要因

「景気低迷の中で」は、後ろの文章が前向きな内容なので「悪条件にも関わらず」くらいのイメージですかね。外部環境の変化によって人気商品になったのではないくらいに捉えればよいかと思います。

「一度市場から消えた主力商品」は、市場から消えた原因が気になりますね。市場から消えた原因を解消・改善したことで人気商品になった、と考えられます。

「A社が再び人気商品にさせた」は、「人気商品になった」ではなく「させた」なので、A社の努力により人気商品になったということを回答すべきと考えられます。

「最大の要因」は、ずばり回答要素そのものです。最大とついているので、要因の列記ではなく1つに絞れという回答上の制約です。

つまり回答すべき内容は「一度市場から消えた原因を解消・改善したことのうち、最大の要因」ということです。

市場から消えた原因は?

市場から消えた原因は、前身となるX社が多額の負債を抱え、事業が継続できなくなったからです。ここで、X社とA社の差について比較してみましょう。

黄色い部分がA社のやったことです。列記すると以下となります。

  • 商品アイテムを主力商品のみに絞った
  • 直接販売をやめて県内外の取引先に販売ルートを絞った
  • 商品名を冠とした社名とした
  • 同じ品質や食感を確保するために必要な投資規模とした

与件文から分かる情報は以上です。どれも原因解消・改善のために必要な要因ですが、1つに絞るのは難しいです。これでは最大の要因に何を書けばよいか迷ってしまいます。

複数の要因をまとめると?

A社が行った色々な施策は、何を目的としたものでしょうか?

  1. かつてと同じ品質や食感の確保を優先するため
    → 商品アイテムを主力商品のみに絞った
  2. 認知度を最大限に活かすため
    → 商品アイテムを主力商品のみに絞った
    → 商品名を冠とした社名とした
  3. 過剰投資を防ぐため
    → 商品アイテムを主力商品のみに絞った
    → 直接販売をやめて県内外の取引先に販売ルートを絞った
    → 同じ品質や食感を確保するために必要な投資規模とした

上記のうち、「人気商品にさせた」ことと関係あるのは①②です。そこで、これらを包括したものを最大の要因として据えたいです。

最大の要因は認知度の高い主力商品に絞ったことである。

ただ、これだけでは何のことだか分からないので、後ろに具体例を付けます。効果も入れると尚良いですね。

ぶらんち回答案

最大の要因は認知度の高い主力商品に絞ったことである。①主力商品の商品名を冠にした社名とし、②かつての品質や食感を出すことに経営資源を集中したことにより、ブランド価値を最大限に活かした。

つまり、「最大の要因」を訊かれたら、「まとめ+補足する具体例+効果」が回答のテンプレートになります。

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まとめるには練習が必要

たくさんの要因を一つにまとめる作業とは、つまり抽象度を上げる作業ということです(抽象化)。

抽象化とは、複数の事柄の共通項を抜き出すこととです。ライバルと差をつけるためには、いかに上手く抽象化し1文で表現できるかにかかっていると言えるでしょう。

こればかりは練習しないとなかなか上達しませんので、ぜひ回答作成プロセス確立の一貫として勉強計画に組み入れていただきたいと思います。

参考図書

「抽象化」が苦手な方は一読すると良いと思います。書店だと何故か(?)哲学カテゴリのところにあります。
「部下が話を理解してくれない」「上司の話が理解できない」ということがあるかもしれませんが、抽象度のレベルが合っていないのかもしれません。

まとめ

如何でしたでしょうか。

これ以外の方法でもOKとなる書き方はたくさんあると思います。
あくまで「ぶらんちが思う最も論理的な処理方法」ですので、自分なりの方法を色々と探してみてください!

ABOUT ME
ぶらんち
ぶらんち
中小企業診断士
システムエンジニアとして14年間キャリアを積んだ後にコンサルティングファームに転職。ITコンサルタントとして従事する傍ら、中小企業診断士として伴走支援を実施中。
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