2次試験対策
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営業活動(マーケティング)のポイント

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記事内に商品プロモーションを含む場合があります

こんにちは。ぶらんちです。中小企業診断士が経営分析を行う際、検討するポイントというのはだいたい決まっています。それらは中小企業診断士試験にも如実に表れていたりします。そこで今回は、事例Ⅱと密接な関係がある営業活動(マーケティング)の検討ポイントについて解説します。

本試験でどのような企業が出題されても適用できるものですので、ぜひ頭に入れておきましょう!

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売上を上げる手段とは

まず大前提として、マーケティングの目的は売上向上です。いくら顧客に喜んで頂ける活動であっても、間接的にも売上に結び付かないのであれば意味がありません。そして売上には以下の公式があります。

売上=客数×客単価×頻度

ちなみに「客数」「客単価」「頻度」の観点でマーケティング施策(例)をまとめると以下の通りとなります。

どれも事例Ⅱでは頻出なものばかりです。それぞれ伸ばしたいものが何なのかによって、マーケティング施策も変わってくるのが分かると思います。

提案は「バランス」

客数・客単価・頻度は掛け算です。いくら客足を伸ばしても1円の商品では売上は微々たるものです。逆に単価が1億円の商品でも、年間で1人にしか売れない場合は、やはり売上は頭打ちになります。

そこで、中小企業診断士として助言する場合にはバランスよく向上させる方法を考えます。

令和元年度事例Ⅱ 第2問
B 社社長は初回来店時に、予約受け付けや確認のために、インスタント・メッセンジャー(インターネットによるメッセージ交換サービス)のアカウント(ユーザー ID)を顧客に尋ねている。インスタント・メッセンジャーでは個別にメッセージを配信できる。
このアカウントを用いて、デザインを重視する既存顧客の客単価を高めるためには、個別にどのような情報発信を行うべきか。100 字以内で助言せよ。

令和元年度事例Ⅱ 第3問
B 社社長は 2019 年 11 月以降に顧客数が大幅に減少することを予想し、その分を補うために商店街の他業種との協業を模索している。

(設問 1 )
B 社社長は減少するであろう顧客分を補うため、協業を通じた新規顧客のトライアルが必要であると考えている。どのような協業相手と組んで、どのような顧客層を獲得すべきか。理由と併せて 100 字以内で助言せよ。

(設問 2 )
協業を通じて獲得した顧客層をリピートにつなげるために、初回来店時に店内での接客を通じてどのような提案をすべきか。価格プロモーション以外の提案について、理由と併せて 100 字以内で助言せよ。

令和元年度のB社はネイルサロンです。従業者は2名で店舗も狭いのですが、その高い提案力・デザイン力・技術力を活かし、一定の固定客がおり繁盛しています。ただ、近くに大手チェーンによる低価格ネイルサロンが出店することが分かり、先行きが不安…というストーリーです。

ただ、ここで注目したいのは中身ではなく、その設問構造です。

設問で問われている内容は「マーケティング活動として足りていないところ」であり、与件文を組み合わせて考えるとバランスや網羅性を考えて提案するようになっていますよね。言い換えると、初見の事例であっても与件文や設問をバランスを考えて読み解くことで、だいたいの回答の方向性は分かるということです。

本事例のB社は、以下理由により客数や頻度を増やすことではなく、客単価向上による売上増加を目指していると考えられます。

  • 従業者が2名かつ店舗が狭いので、今以上に客数を増やしても対応できない
  • 爪の成長に左右されるため、来店間隔を短くする施策は出来ない
  • 初回に期待以上の提案が出来れば、固定客化しやすい
    (頻度の確保は難しくない)

ターゲットの選定は「強みを活かす」

「事例Ⅱはターゲットの選定が重要」とよく言われますが、理由はターゲットのニーズに合わせてマーケティング手法を変える必要があるからです。ターゲットを間違えると必然的に提案内容も的外れになりがちです。

そこで、上記のようなミスを防ぐためによく使われるのが、「だなどこ」と呼ばれるフレームワークです。

だ: 誰に
な: 何を
ど: どのように
こ: 効果

上記4つをきちんと書けない場合はターゲット設定が誤っている可能性が高く、試験中に軌道修正できるので大外しは回避できます。とはいえ、全く浮かばない場合は結局アイディア回答になってしまいます。

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そこで、以下の順番でターゲットの絞り込みを行うことをおススメします。

ポイントは強みを活かせるターゲットを選定することです。機会(需要)が合ってもB社が価値を提供できなかったり、差別化が図れないのであれば、そこをターゲットにすることは難しいです。「自社の強みを機会にぶつける」というのはクロスSWOT分析でも重要な考え方で、最も顧客獲得が期待できます。

なので、もし迷ったら「一番強みが活かせるターゲットはどこか?」で探してみてください!

まとめ

如何でしたでしょうか?

マーケティング活動は売上向上が目的で、「客数」「客単価」「頻度」のどれかに紐づいた活動でなければならないというお話でした。

本試験でパニックになったら、少し目線を離して俯瞰してみてみましょう!「新規顧客獲得には訊かれているけど、既存顧客に対する施策が足りないな…」などと気づくことが出来るかもしれません!

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ぶらんち
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中小企業診断士
システムエンジニアとして14年間キャリアを積んだ後にコンサルティングファームに転職。ITコンサルタントとして従事する傍ら、中小企業診断士として伴走支援を実施中。
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