結局「クラウド」って何?基礎を押さえるカンタン解説!
こんにちは。ぶらんちです。近年「クラウド○○」「△△クラウド」といった単語やサービスをよく聞きますよね。IT技術・情報分野が専門でない限り、「正直よく分からない」という方も多いと思います。ただ、今後もクラウド化の流れは進んでいくものと思われますので、絶対に押さえておきたいワードです。
そこで今回は「クラウド」とは何か?について解説します。
ITシステムの構成要素
そもそも、自社ホームページやネットショップ(ECサイト)を立ち上げたり、顧客データベースや社内メールを整備するときに、どんなものが必要でしょう?
ぜんぜんわかりません(すでに拒絶反応・・・)
どんなITシステムでも必ず必要となる要素があります。それが以下の3つです。
- ハードウェア/ネットワーク
- OS/ミドルウェア
- アプリケーション(ソフトウェア)
「クラウド」の前に、まずは各要素を理解する必要があります。
ハードウェア/ネットワーク
コンピュータは、以下の5大装置を組み合わせたものです。
- 入力装置
マウスやキーボード、タッチパネル等 - 出力装置
モニター、プリンタ等 - 記憶装置
HDD、SSD等 - 演算装置
四則演算や論理演算など - 制御装置
入力、出力、記憶、演算の各装置を制御
※ 演算装置・制御装置をまとめてCPU(中央演算処理装置)という。
これらを1つの筐体(きょうたい:物理的な箱)にまとめたもののうち、個人が利用するものをPC(パーソナルコンピュータ)と言い、共同で利用するものをサーバと言います。また、CPUや筐体など物理的に存在するものが中心なのでハードウェアなどと呼んだりします。
また、それぞれはWAN、LANと呼ばれるネットワークで接続し、異なる筐体同士の情報通信を行います。
ここまではどのようなITシステムを構築するにせよ共通で必要となる部分です。ハードウェアとネットワークを合わせて、インフラストラクチャ―(インフラ/基盤)と総称されることもあります。
OS/ミドルウェア
さて、ハードウェアが出来ましたら、その中にシステムの基礎となるソフトウェアを導入します。それがOSやミドルウェアです。アプリケーションソフトは、適合したOS上でしか動作しません。
OS (Operating System)
ジョブ管理やユーザー管理、アプリケーションの起動・実行などの基本的な機能を提供するためのソフトウェア。Windows、MacOS、Linuxなど。
ミドルウェア
OSとアプリケーション(ソフトウェア)の中間的な役割をもつソフトウェア。データベース(DBMS)など。
これだけではイメージできないかもしれないので、先にアプリケーションまで見てみましょう。
アプリケーション(ソフトウェア)
アプリケーション(ソフトウェア)は特定の目的・機能を提供するためのソフトウェアです。応用ソフトウェアとも呼ばれます。文書作成(Word)、表計算(Excel)が代表例です。
PCの場合は色々なアプリケーションを導入しますが、サーバーの場合はその目的に合わせてアプリケーションを絞ります。例えばメールシステムソフト(Exchangeとか)を入れることで社内メールを構築することができます。
まとめると、ITシステムを構築する場合は①ハードウェア筐体やネットワーク環境を準備し、②OSやミドルウェアをインストールし、③アプリケーションを導入する、と言った手順になります。これらが全て揃って初めて「システム」と呼ばれるものが出来上がるわけです。
クラウドとは
やっと本題です(汗)
ITシステムを構築する際、これまでは自社のデータセンターやマシンルームにサーバーを設置し、OSやアプリケーションをインストール・設定するのが通常でした(これをオンプレミスと言います)。
ITシステムを構築するための高いスキルが必要なだけでなく、サーバの設置スペースや電源の確保、運用・保守体制の維持、耐用年数に合わせた定期的な入替(リプレース)など、運営していくためにはそれなりのコストと人材が必要でした。
クラウドとは、それらITシステムに関わる要素の一部または全部をサービス提供する仕組みです。
クラウドには「仮想化技術」「分散技術」「高度なセキュリティ技術」といった技術に支えられています。クラウドサービス業者のデータセンターにもサーバ筐体は置かれているのですが、1つのサーバの中に複数のOS環境を同時に構築したり(仮想サーバ)、複数の物理サーバをあたかも一つのサーバのように動かしたりして効率化を実現しています。また情報漏洩が発生しないよう、暗号化をはじめとする様々なセキュリティを施しています。
クラウドサービスの種類
クラウドサービスは、サービス提供範囲に応じて以下のように分類されます。
- SaaS (Software as a Service)
各種アプリケーションまでサービス提供 - PaaS (Platform as a Service)
ミドルウェア/OSまでを提供 - IaaS (Infrastructure as a Service)
ハードウェアやネットワーク環境までを提供
SaaSのようにアプリケーションまで提供してもらえるサービスを利用すれば、日々の運用はほとんどサービス事業者にお任せすることができますが、自社独自の運用(自社開発ソフトとのデータ連携など)の実現は難しくなります。
IaaSのようにハードウェア/ネットワークだけ提供してもらえるサービスであれば、自社独自の運用などの実現はしやすくなりますが、運用負荷はSaaSほど下がらない可能性が高いです。
クラウド化を進めるにあたっては、上記のような特徴を考慮しながらサービス選定をしていくこととなります。
まとめ
如何でしたでしょうか?
IT技術の進歩はすさまじく、どんどんと新しいサービスが登場します。すでにAaaSやDaaSといったものもあります。ですが上記の知識をとっかかりにしてIT系の最新ニュースに触れてみると、意外と理解が深まるかもしれません。