合格後にも必要となる1次知識
こんにちは。ぶらんちです。前回の記事で「事業再構築補助金申請の事業計画書作成」の話に触れました(なんとか完成できました!)。
ぶらんちにとっては中小企業診断士としての初仕事だったわけですが(登録前だけど)、実務従事をしてみて中小企業診断士試験の見方が少し変わりました。
今回は、ちょっと違った角度から見た中小企業診断士試験の学習計画について紹介したいと思います。
「2次試験を見据えた学習計画」について
本ブログでは、2次試験を見据えた学習計画を立てることを推奨しています。
https://branchpine.com/archives/359中小企業診断士試験の最大の難関は2次筆記試験です。1次試験は覚えることはたくさんありますが、3年かけて少しずつ科目合格を重ねれば、いつか合格にたどり着けるかと思います。ですが2次試験に関しては「如何に知識を使いこなせるか」なので、一朝一夕で点数は伸びていきません。
ただ、2次試験は出題範囲が限られているため、「1次試験の時から2次試験範囲を意識しながら学習しよう」というのは、効率面でも理に適っていると思っています。
ちなみに大手資格予備校のLECでは、1次試験・2次試験共通で使う知識を「1.5次知識」を読んでいます。2次試験で1.5次知識をどのように活用すべきかが学べる専用の講座もあります。
無いと合格後に困る1次知識
ただし、1.5次知識では無いけれど経営診断実務では必須となる1次知識があります。今から紹介するのは、ぶらんちが「もっとちゃんと勉強しておけばよかった…」と後悔している1次知識です。
もし苦手分野だった場合でも、「合格」を最優先に考える場合はサラリと流して良いと思います(仕訳以外は1次試験でも重要なので流せないとは思いますが…)。
ただ、中小企業診断士として活躍したいと考えている場合は後々困ることになりますので、今のうちから力を入れておきたいです。
仕訳
財務・会計で出題されるのは本支店会計くらいで、あまり重要度の高い分野ではありません。2次試験でも経営分析やキャッシュフロー計算書作成の方が重要で、マイナーな勘定科目は出てきません。
ところが、合格しそのまま実務の現場に飛び出すと大変です。
実際の決算書は「仮勘定」やら「預り金」やら馴染みのない勘定科目ばかり…。勘定科目の意味を理解していないと、流動資産(負債)なのか固定資産(負債)なのかさえ判断できないです。実務では「固定資産を減らして固定長期適合率を改善する」「負債を減らして負債比率を下げる」という分析だけではなく、具体的に何をどうすればよいのか提案しなければならないので、仕訳が分からないとメチャメチャ苦労することになります。
ぶらんちは仕訳が超苦手で(貸方と借方の合計が合わない…)、試験では捨て問としてました。今大変苦労しており、簿記2級を取得するか検討中です。
会社法
会社法は経営法務の中でも頻出分野なので、あまり「飛ばす」ということはないかもしれません。ただ2次試験に出題されないためか、気づけばどんどん忘れていってしまいます。
特に事業承継やM&A案件などでは、法的な仕組みや決議方法など、具体的な手続きを理解していないと話を前に進めることが出来ません。
経営法務関連は法改正もあるので案件の都度確認するものではありますが、基礎はしっかりと身に着けたいですね。
中小企業政策
1次試験範囲としてはほぼ暗記科目と化していますが、中小企業政策で出てくるものは全て中小企業の取り組みを応援するための制度ですよね。実際の現場であれば中小企業診断士として積極的に提案したいです。
ぶらんちが会った先輩診断士は「事業再構築補助金は難しいですが、ものづくり補助金なら要件を満たしますよ、活用しましょう!」などとメリット・デメリット含めスラスラと説明されており、「これがプロの世界か…」と圧倒されました。
まとめ
如何でしたでしょうか?
今回は「中小企業診断士が共通して身に着けておくべき1次知識」に絞ってご紹介しました。
当然ながら、中小企業診断士としてどの業界で活躍したいかにより追加で必要な知識も異なってきます。生産現場の支援を行うのであれば運営管理、システム開発会社を支援するのであれば経営情報システムといった具合です。
様々な中小企業を支援できるように1次試験の出題範囲が広くなっていると考えると、中小企業診断士制度ってとてもよく出来ているなぁと思います。
ちなみに、2次試験の知識はどんな場面でも使います。そういう意味では2次知識こそ無いと困るのですが、合格するまでに自然と身に着いているものですので割愛します。悪しからず。